●ハーフドアを作ろう!
さてさて、何だかんだ言いながら中々完成しないわがSJ20ですが、まぁボチボチ更新してゆきますのでお付き合いください。今回はハーフドアの製作です。以前に腐ったメタルドアを切断して作ろうとしていましたが、「いかにも切りました」感が否めないので思い切って製作することになりました。
SJ10,20のハーフドアはそのカット位置に気を使います。ヒンジの位置に気を取られていると腰が高くなってしまい、軽快感が無くなってしまいます。こういった部品をそれなりにまとめるには、ボディのウエストラインやプレスの位置に気を使うと綺麗にいきます。今回の場合は窓枠の付け根のパネル合わせ目に前側のラインを合わせて、後ろ側はボディ上面に沿わせました。こうする事でドアが上方向に上がりすぎるのを防ぎます。
肝心の制作方法ですが、壊れたベストップの骨を流用して、上面は軽く肘が置ける程度に面を持たせる為にLアングルを使う事にしました。
合わせてドアノブやヒンジの位置関係も考えます。ノブはボディ本体でドアを押さえるようにしています。こういった軽い動きの簡単なノブの場合、ノブ自体の重さというのが重要で、ドアを閉めた状態のときに自重でその位置を保てるようにしなくてはなりません。また、ドア開放時も自重でノブが動かないようにしなくては、風などでドアが閉まるときに内側のノブでボディにダメージを与えてしまいます。
ヒンジは、ベストップ製品の作りがあまりにも適当(適当な受けをボディに適当に穴あけして取り付け)なので、純正然に仕上げるべく、純正のメタルドア用のヒンジを加工して受けを作りました。相変わらず激しくサビるベストップヒンジは、8共済メンバーの”やんかげ”さんにお借りしたブラスターでブラスト処理しました(はじめからコレを使っていれば再生が楽だった・・・)。
各ブラケット類や補強、上面のアングル材をそれぞれ溶接します。管理人の溶接機は100V40Aのアーク溶接機(いわゆる家庭用)ですが、溶棒の選択と運棒によってはきちんと溶接できます。ベストップの幌骨は、適当に治具に合わせてパートのオバチャンがバチバチやっているらしく、切断と同時にあらぬ形状に弾けました・・・。
パワーの小さい溶接機での溶接で、治具も作っていないので部材同士はデッドリラックス(無負荷)状態でなくてはなりません。結局、自分で曲げなおす羽目になりました。丸棒を買ってきても同じ手間ということです。骨は錆を落としてペイントしました。
お次は表面にビニールレザーを張ります。生地はヨット用で耐水性と耐久性が高いものを使用しています。ベストップと同じように張るには骨を避けて縫い付けねばなりませんので工業用のミシンが必要ですが、家には普通のジャノメミシンしかありませんので如何に縫うかを考えました。
結果、ドアの形をした袋に骨を入れて上部はスナップボタンで留める構造に決定。収納はグローブボックスとバッテリーボックスのみなのでですが、このドアによって地図などの平たいものが収納できます。車体に仮合わせしてみましたが、中々良い感じです。普段はミシンなど一切使用しないので戸惑いましたが、家庭科の授業を思い出しつつ何とかクリアしました。また、この方法だと裏側も綺麗に仕上がり、汚い縫い目も目立ちません。一応断面は全て折り返して縫い、引っ張られる部分は補強もしてみました。
続いて装着に必要な小物類を再生してゆきます。純正をカットしたクイックヒンジも徹底的に研磨しました。ドアノブはアルミ鋳物にメッキなので必ずブツブツと腐食する部分です。気になるのでメッキを全て剥がしてアルミ地肌を軽く研磨して使用します。
まずは180番のディスクでメッキをガシガシ剥がしてしまいます。恐ろしいほどの肌荒れが・・・・・・・・・・・・・・・メッキでカバーされているので腐食も深く、嫌な感じです。しかし乗るたびに触れる部分ですのである程度綺麗にしなければなりません。実は数年前から気になっていた部分でもあります。
あとはひたすら研磨するのみ。完全なバフで仕上げるとかえって傷などが気になりそうなので程々で終了です。ボツボツと腐食が残る部分もありますが、まぁ良しとしましょう。
ヒンジをペイントして実車に装着!今回の再生作業では強度に関係しない部分は積極的にステンキャップボルトを使っていますが、電食抑止のためカッパーグリースを使っています。それはカジリ防止の為では?と思われるかもしれませんが、ステンボルトのカジリ自体がまさに電食です。
勿論、開きます。閉じます。ノブには樹脂ワッシャーを入れてレザーが切れないようにしてあります。内側を見るとスナップ(正確にはジャンパーホック)留めが解りますね。
全体のシルエットです。あえてボディ色ではなく黒にしましたが、中々のバランス?と自己満足しています。
つづく・・・・・・・・・